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授業中に言った発言が大きな議論になり、韓国で社会問題に発展した韓国の名門・延世大学の柳錫春(リュ・ソクチュン)教授による、月刊Hanadaに寄稿された翻訳文です。



引用:月刊Hanadaプラス

管理人:
長文です。
覚悟してお読みください。
【ニュース特集】延世大学 発展社会学の講義懲戒の顛末 延世大学教授 柳錫春

韓国の名門・延世大学の柳錫春(リュ・ソクチュン)教授が授業中に言った発言が大きな議論になり、韓国で社会問題に発展!
渦中の柳教授が月刊Hanadaに完全独占手記を寄稿。 
韓国で報道されない発言の真意、正論・事実を封殺して発言者の存在自体を抹殺しようとする韓国社会の異常な実態を告発!
韓日全国民が必読!

目次
日本の読者に初寄稿
自国の現代史を恥じる青少年
慰安婦は売春の一種
女子生徒との質疑応答前に再収録
「作られた事件」
反日種族主義という麻薬
社会で抹殺

日本の読者に初めての寄稿

日本の読者を相手に文を書く経験は初めてだ。 学術論文を英語で書いたり、同時通訳を通じて日本の学者の前で発表した経験はかなりある。 また、日本のメディアが筆者の発言を引用して記事を作成したケースも少なくない。 しかし、筆者が日本のマスコミに今回のように直接文を書く方式で寄稿するのは初めてだ。 もちろん、翻訳を通じてね。

そのため非常に慎重だ。 微妙な韓日関係の現実で、この文章が韓日関係をさらに悪化させるのではないかと心配する声もなくはないからだ。 筆者は大韓民国が直面した国際的現実で、韓米同盟を維持・強化する課題が何よりも重要だと信じる人だ。 朝中ロ同盟が核とミサイルで武装し、韓国を狙っている現実を考慮すれば尚更だ。

私は、韓国の延世大学で1987年から社会学の教授として在職してきた。 満65歳の定年退職をわずか3ヵ月も残していない33年目の最古参教授だ。 講義と研究に生涯を捧げ、50歳を過ぎてからはメディアを通して様々な社会的・国家的争点について意見を述べ、またそのような争点を中心に市民運動に積極的に乗り出した。

その結果、一時的なものではあるが、韓国の保守右派政党で政治的な役割を担った。 2017年5月の韓国の大統領選挙で、文在寅(ムン・ジェイン)当選者に敗北した洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補が同年7月の代表に選出された自由韓国党で同年12月まで革新委員長という職責を遂行した。 しかし、2018年4月の地方選挙で自由韓国党が惨敗し、ついに何の効果も得られない無駄な努力となった。

教授という職業を通じて果たそうとした学問的成就はもちろん、少しでも積極的な役割を模索した政界活動に対する評価は当然、韓国国民の役割だ。 反対する者は告訴するだろうし、支持する者は残念に思うだろう。 誇りに思ってくれれば良いが、そのような評価を受けるには自ら考えても足りない面が多い人間だという自評もある。

しかし、世間では不十分な人と評価されており、ひいては自らそのような評価を認めるとしても、2019年9月19日に延世大学講義室で行った発言のために懲戒を受けたことは、とても理解できない不当なことだ。 そこでこの機会に日本の読者にこの事件の顛末を報告し、韓国の日本に対する微妙な感情、いわゆる「反日種族主義」の現実を共有する機会にしたい。
 
自国の現代史を恥じる青少年

2019年秋学期に問題となった筆者の講義は「発展社会学」であった。 この講義は、社会学専攻の選択科目として発展を望む多くの第3世界の国々の中で、なぜどの国は成功し、また他の国は失敗するのかを受講生たちとともに討論し、分析する講義だ。 韓国は例外的に成功した事例なので、当然韓国人はそのような祖国の現代史を誇らしく思わなければならない。 しかし、現実には韓国の若者は大韓民国の現代史を恥ずかしく思う傾向を見せる。 したがって講義は自然に「なぜそのような状況が起こるか」に繋がる。

問題となった週の講義テーマは「植民地支配を受けた経験をどのように評価するか」だった。 学界ではその時期を「収奪」された時代と評価しているが、一方では、それにもかかわらず「近代化」が同時に進行した時期だという解釈も共存していることを学生に伝えた。 また、以下の表を中心に、日本の韓国支配が他の植民地経験と比較して非常に独特な状況であったことを説明した。

この表を通じて筆者は、日本の韓国支配が他の植民地経験と比較すると、植民母国を憎まざるを得ない最悪の条件が結びついた状況だと強調した。 植民地支配を受けた期間が非常に短く、長い場合に比べて抵抗しようという考えが強く、歴史・文化的に互いによく知る間でそのようなことを経験し、西洋列強と比較して日本という植民母国は産業化の後発国であり、急かされる心理を持っており、被植民社会と植民母国の間で緩衝の役割を果たす第3の集団もなく、両民族は植民地現場で直接ぶつかるしかない最悪の条件だったことを説明した。 そのため、韓国は日本をより憎むことになる遺産を持つことになったと説明した。

タイトルなし
このような植民経験から、韓国人は日本に対して無条件的に否定的な評価をし、それを当然と考える傾向がある、という説明も続けた。 具体的には植民地時代の農地、米、労働者、女性に関する説明を例に挙げた。

朝鮮総督府が行った土地調査事業が、韓国人が所有する農地の40%を日本人や日本国家に略奪される契機になったという韓国の歴史教科書は間違っていると説明した。 土地調査事業は既存の所有権を近代的な方法で再確認し、税金を正確に徴収するための基礎作業だっただけだと付け加えた。

また、韓国の米を日本が奪ったのではなく、金を払って買っていったことを歪曲したものだという説明もした。 日本に徴用されたという人の大半も同様に、強制的に連れ去られたわけではなく、金を稼ぎに志願してきたことも説明した。 最後に韓国の若い女性が慰安婦になることになったのも強制的に連行された結果ではなく、民間の売春業者に就職詐欺に遭ったためだったという説明もした。
 
慰安婦は売春の一種

このような内容の講義を終え、学生たちの質問に答える方式で討論を続けた。 約50人の受講生のうち、5人の生徒が参加して計31回の質問が続いた。 不思議にもほぼ全ての質問が慰安婦に関連した講義内容に集中された。 女子学生Aは14度、女子生徒Bは9度、女子生徒Cは2度、男子生徒Dは3度、女子生徒Eは3度慰安婦に関する質問をした。 このうち、学校が「言語セクハラ」と問題視した筆者の発言、「気になるならやってみたらどうですか」は、女子生徒Aとの14回にわたる質問の回答過程で、10回目の質問に対する回答から出た発言だ。

この発言が果たしてセクハラに該当する発言なのか、読者が客観的に判断できるように、ここでは該当女子生徒と交わした全ての発言をありのままに書き移す。 もちろん、こうした録音がどのように可能になったのかを明らかにしておく必要がある。 録音記録がなければ、どの教授も自分が講義で言った言葉を記憶だけに依存し、正確に再構成できないためだ。

講義を受講した学生のうち、誰かが自分が知っていた歴史と講義内容があまりにも違うと、教授の許可なく録音した音声ファイルを外部のマスコミに流出させた。 「慰安婦は売春の一種」という講義室での筆者の発言があちこちに広まり、マスコミに報道され始めた。 慰安婦は「日本軍の性奴隷」という主張をしながら、韓日関係の改善に煙を撒いてきた正義記憶連帯(旧挺身隊問題対策協議会、略して挺対協)がこの機会を見過ごすはずがなかった。 録音ファイルを探して録取録を作り、とうとう教授が講義室で行った発言が慰安婦はもちろん挺対協の名誉を毀損したとして、民事・刑事訴訟を起こしてきた。

2016年から自らを「正義記憶連帯」と呼び始めたこの団体は、1990年に「挺身隊問題対策協議会」という名で活動を開始した。 名前からもわかるように、この団体は、日帝時代に全く異なる性格として存在した挺身隊と慰安婦を区分せずに活動を開始したとんでもない団体だ。

慰安婦被害者を支援して、更に真相を究明するという趣旨で設立した団体ではあるが、わずかな仕事は、ソウルのど真ん中にある日本大使館の前にいわゆる日本軍性奴隷を象徴する少女像を立てて、韓国の青少年を対象に無条件的反日感情を注入するいわゆる水曜集会を25年間継続してきたことが自慢なだけだ。

しかし、2020年5月7日、慰安婦出身のイ・ヨンスさんの暴露でこの団体は現在、寄付金横領などの犯罪疑惑で検察の調査を受けている。 また、その間の活動が慰安婦のためのものではなく、団体を率いた挺対協の個人の出世のためのものではないかという非難まで聞いている。 尹美香が2020年4月15日に行われた総選挙で比例代表で与党国会議員に当選したからだ。

日本軍慰安婦のためという同団体は、「THAAD配置反対」「済州海軍基地反対」などと一緒に安保と直結した問題にも介入して北朝鮮を擁護する姿を見せたので従北団体ではないかという疑惑も受けている。 挺対協の「従北反日」活動に関する情報は韓国メディアウォッチ記事によく整理されている。 http://mediawatch.kr/news/review_list_all.html?rvw_no=91

もし、イ・ヨンスさんの告発が筆者の延世大学事件以前に発生していたなら、学生や世論の非難はそれほど乱暴ではなかっただろう。 事件直後、学生たちは私の研究室の入り口に私を非難するポストイットを張り付けただけでなく、図書館の前のように通行の多い地点に壁や垂れ幕を張って「歴史意識のない教授」や「セクハラ教授」と激しく非難した。

さらに、ぺク・ウンジョンという文在寅支持者は筆者の研究室に乱入して日本スパイを逮捕しに来たと騒ぎを起こし、その映像を自分のYoutubeにアップロードして100万を超える照会を記録している。

女子生徒との質疑応答前に再収録

この講義で筆者は挺対協について、「韓日関係を破綻させ、大韓民国を壊そうとする従北団体だ」という要旨の発言をした。 この発言に基づいた訴訟のため、筆者は正義記憶連帯が作った録音速記録を裁判所を通じて入手することができた(ファイルの最後に添付した速記録の表紙画像を参照)。 次は、このように得た講義録音速記録のうち、女子生徒Aとの対話をありのまま写したものだ。




教授)
今日話すべきことはほぼ全部したのですが、何か質問や討論がありますか?
今日話したことは、皆さんすでに知っていましたか? 初めて聞きますよね?
初めて聞いたと思う。

女子学生A)
教授がさっき慰安婦関連の話をしていましたが、最後まで仰らなかったと感じたのですが、
それなら、慰安婦に連れて行かれた女性の方は自分が自発的に行ったと教授はお話されててるんですか?
強制的に連行されていなかったと…

教授)
今、売春産業があるじゃないですか。 韓国には現在売春業がたくさんあるじゃないですか。
よく分かりませんよね?
若い学生はよく知らないが、江南に行くととても多いです。 マッサージがどうのこうのと。
そこの女性たちがみんな働いているじゃないですか。
その女の人たちは自分が行ったのですか? 親が売りましたか? どうやって行ったのですか?

女子学生A)
それなら今ある売春婦と以前の慰安婦を今、同列に見るということですか? そうやって理解を…

教授)
それと似ているものです。

女学生A)
それなら今まで…

教授)
あの人たちが暮らしが大変で売春に入ることになるんです。 暮らしが大変で。
今現在、売春をしている女性が多いじゃないですか? その人々がどうして売春をしたのか?
暮らしが大変で、家が苦しくて、本人がお金を稼げないから売春で。
そして、それならじっとしているかと言うとそうではなく
「ここに来て働けば、少しでも働けば少しでも給料がもらえるので、来て働きます」
こんな誘惑があって入って働くことになるんじゃないですか。

女学生A)
でも…

教授)
今そうであるということについては同意しますか? 今もそうじゃないですか?

女学生A)
今はそうだけど…

教授)
今はそうだけど、過去には「そうじゃなかった」と言おうとしてるようだけど、そうじゃなくて昔もそうだった。

女子学生A)
それなら先生がおっしゃることを私がまともに理解したら、
以前に日本の統治下で慰安婦として働いていたすべての女性たちは、皆そうやって自発的に売春女性として直接行って..
.

教授)
今働いている人は自発的ですか?
自己半分、他意半分です。 今も半分、他意半分です。

女学生A)
私の知る限りでは…

教授)
生活が苦しいからそうなったわけで、私が望んでいるからではありませんよ。

女子学生A)
教授がこの分野についてずいぶん何十年も研究されたし...

教授)
違います。 慰安婦を研究したことはありません。
李栄薫(イ・ヨンフ)の本だけ読みました。

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女学生A)
李栄薫の本ばかり読んで仰ってるんですか?

教授)
李栄薫の本と反対の意見の本も読みました。
私は慰安婦を直接研究したことはないです。

女子学生A)
でも私が知っている、そして他の学生たちもたくさん分かっているようだけど、
慰安婦だったお婆さんたちが証言したものがあるじゃないですか。
たとえば、教育もしていけば良い雇用で、慰安婦は当然なかったでしょうね。
売春産業は当然、違ったと思う。
いい働き口があって、良い教育の機会があると聞いてついて行ったら、知ってみればそうした慰安婦キャンプだった...

教授)
今も売春を始める過程は全く同じです。
今も「ここに来て働いても絶対に体を売るわけではない」
「マナーの良いお客さんに酒さえ売ればいい」
「そういうのを1時間いくらでする」
そうやって言えば、接待婦として生活をするようになりますが、そうしてみるとそうなるのです。
今もそうです、今も。 昔だけじゃないんです。
気になるなら一度やってみますか?
今もそうです、今も。
今も「最初から一日にお客さんを10回受け持たけなければならない」とは言いません。
「あなたのところに来て、マナーの良いお客さんがおとなしくお酒を飲んでいくんだから、
お酒でも注いでつまみでも取ってあげればいい」
こう始めます。

女子学生A)
それでは先ほどおっしゃったように、李栄薫の「反日種族主義」もそうですし、
私の理解が正しければ、教授が今最も問題視されていると思う部分は
「私たちが日本に対して過度な敵対心を持っている。
反日種族主義というものがあるのに、これがなぜ、このように日本に対する敵対心が芽生えたかと言うとその四つの理由によるものだが、そのうちの四番目が慰安婦問題が誇張されたため...」

教授)
いや、4つの理由ではなく、先ほど私が表で示した理由ですね。

女学生A)
李栄薫の「反日種族主義」ですか?

教授)
李栄薫は「4つの嘘をついている」という話をしていて、その「嘘が効く理由が僕は分かった」ということです。
李栄薫は「わが歴史は日帝時代に関して4つの大きな嘘をついている」と言っているじゃないですか。
「その四つは米、土地、女性、労働者。この四つの嘘をついている」と主張しています、李栄薫は。
そうですよね?
私は「それが嘘なのに人々がどうして本当だと信じるのか」と言うと、
韓国の植民地経験というものが他国の植民地経験と比較したら、あまりにも最悪の条件が結合して日本を憎むしかない植民地経験をした。
そのため、日本を憎むことができさえすれば、事実であれそうでないであれ、受け入れる心性が生まれた。

女子生徒A)
それなら、李栄薫が言う4つの嘘。 4つの事案に対して、李栄薫が嘘だと主張しているじゃないですか。
それでは彼について教授も同意するということ...

教授)
いいえ、同意するのではなく、韓国の人々がそれを嘘ではないと信じる理由を私が理解しているのです。
「正しい」ではなく。
聞き取れませんか?いや、じっとしていてください。 仕上げをちょっとします。
李栄薫は4つの「私たちが日帝時代について間違って知っていることが4つある」と言っています。
そうですよね? それは分かりますよね? 
李栄薫は、それを調査してみたところ、それがすべて嘘で「こういうことが正しいんだ」と。
私は、なぜ人々が「李栄薫の言葉を信じないのか。
なぜ日本が収奪したと信じるのか」という背景は、我々の植民地経験があまりにも他国の植民地と比較すると、
独特で最悪の条件が結びつき、植民母国を憎む条件である、植民地支配を受けて日本を悪く言うことを歓迎するメンタルを持っている。 我が国は...

女学生A)
それなら、教授は李栄薫が言うことと教授の意見は違うのですか?

教授)
いいえ、私は李栄薫が正しいと思います。 
韓国人はそれで、情緒的なメンタルを早く脱しないといけないと思います。
事実を受け入れなければならないのに、なぜ嘘を受け入れながら、自ら嘘を拡大再生産して、しきりに様々な問題を悪化させるのかが理解できない。
ただ、「情緒的にそんな感じがあることがいいのか、悪いのか?」と聞かれたら私は「悪い」と答えます。
情緒を早く変えなければならないのに、ただ「憎い奴は憎いから憎み続けようと思い、憎い奴がやってもいないことを憎い奴がやったと思うのが問題だ」ってことだよね。




授業で行われた質問と回答で延世大学が懲戒の対象とした部分は、筆者が回答過程で言った「気になるなら一度やってみますか?」という発言だ。 「売春をしてみろ」という発言に聞こえるため、懲戒処分にしたというのが学校の理由だ。 しかし、この発言が登場する脈絡をみると、この発言が「売春をしてみろ」という発言ではないことがはっきり分かる。

女子学生Aがこの発言のすぐ前で教授に「慰安婦研究を直接したのか」と質問をして、筆者は答えながら、「直接研究したことがない。 李栄薫教授の本、そしてその反対側の本も勉強した」と説明し、それに続く女子学生Aの質問に答える過程で、「学生が直接研究・調査をしてみろという趣旨」でそのように発言したからだ。

また、先ほど引用した質問の答えには含まれていないが、女子学生Aの質問にすぐ続いて登場した女子学生Bの質問に対しても、筆者は「江南に一度行ってみてください。 インターネットでみてください」などのように具体的に売春を研究する方法に関する回答も提示した。 したがって、たとえ「研究」や「調査」という単語を省略したとしても、質問と回答の脈絡上、この発言は「研究」や「調査」をしてみろという趣旨の発言だったことは明らかだ。

しかも、授業の状況を客観的に見せてくれる録音ファイルや録音記録のどこにも、この発言から授業を終えるまで、いわゆる「言語セクハラ」問題に対する生徒たちの反発はまったく見られない。 講義は従軍慰安婦問題について教授と学生の間に、緊迫した真剣な論議を続けただけだ。

こうした状況にもかかわらず、講義があった翌日から外部のマスコミは延世大学 柳錫春教授が「慰安婦は売春」という発言をして物議を醸し、一歩進んで「学生たちに売春を勧誘」したと報道し始めた。 筆者を非難する世論が沸き、電子メール、携帯メール、電話などによる非難が殺到し、研究室で正常な業務を遂行できなかった。 これに加え、学校はこの状況を問題視し、まず「当該講義を中断させ、代替講師を投入する」という決定を下した。 来学期の2020年春には、最初から全ての講義から外すことを決めた。
 
作られた事件

2019年9月、問題の講義直後から始まった学校の懲戒手続きは、ついにこの問題をめぐって2020年5月5日に「停職1カ月」という「重い懲戒」の決定を下した。 結局、延世大懲戒委員会は「学問の自由」に対する弾圧になり得る長老教授の講義に対する懲戒という、大学内の極めて重要な意思決定を証拠も十分に確認しないまま実際にしていない発言をしたものとみなし、虚偽の事実を基に懲戒を確定したのだ。

学校の判断に不服だった筆者は、延世大学を相手に民事裁判を進めている。 結局、最終的な判断は、長い時間が経てから裁判所が下さざるを得ないのが現状だ。 したがって、当分の間、筆者は講義室で学生たちと慰安婦に関する討論をして「言語セクハラをした教授」という不名誉を甘受せざるを得なくなった。

すべての状況を総合すると、この事件は録音した講義内容を外部メディアに流出させた姓名未詳の生徒が意図する方向で再構成された事件だ。 本質は、慰安婦に対する新しい解釈や討論にくつわをかませて学問の自由を抑圧しようと作られた事件であるにもかかわらず、まるで単純な言語セクハラ事件のように包装された。 延世大学の懲戒決定は、このように水面下に隠れている同事件の実体はもとより、同事件の講義が社会学専攻の学生を対象に行われた討論式の講義だったという基本的な事実さえ考慮しない決定だ。 外部メディアの偏った報道に便乗し、卑怯で便利な一方的に議論を避ける判断を下した。

反日種族主義という麻薬

韓国と日本の両国で日本軍慰安婦研究に新しい紀元を用意した二冊の本『反日種族主義』(2019 未来社)及び『反日種族主義との闘争』(2020 未来社)の出版を主導した李栄薫教授は1937年日中戦争の始まりから1945年太平洋戦争が終わるまで植民地韓国で運営された「日本軍慰安婦制度」が、それ以前あるいはその後に存在した韓国歴史上の「また別の慰安婦制度」と本質的に全然違うんじゃないと主張している。 朝鮮時代の妓生制、1916年から植民地韓国で施行された公娼制、1945年解放以降存在してきたアメリカ軍慰安婦制などと同様に日本軍慰安婦制もやはり公娼制度の一つにすぎないという説明だ。

さらに李栄薫教授は、「公娼制はすべて国家、男性、家父長、売春業者らが暗黙的に協力し、最下層の貧しい女性を性的に略取した不道徳な行為だ」と告発している。 事情がこうなら当然登場しなければならない質問はその多くの公娼制の犠牲らの中で、なぜ韓国国民は特に日本軍慰安婦だけに積極的な関心を示して支援を厭わないかという問題だ。 言い直せば、日本軍慰安婦の特権化はどこから始まったことなのか?

もちろん、李栄薫教授の答えは「反日種族主義」だ。 日本軍を対象とする慰安婦ではなく、他の集団を対象とする慰安婦問題は「私達の中」という偽善と矛盾を同時に認め、これを克服しなければならない困難を与えるが、日本が介入した慰安婦問題は「私達の外」で、敵である日本を非難しさえすれば「私達の中」の問題を簡単に忘れさせてくれる。 そのため、「反日種族主義」は、「私達の中」の偽善と矛盾を覆う一種の「麻薬」のような役割を果たす。

朝鮮という国家を支配していた王と両班の偽善(または大韓民国の支配集団の偽善)、家族を守れない男性家父長の偽善、金を稼ぐためなら女性の貧困を利用することも厭わない売春業者の不道徳に真っ向から立ち向かわなくても、「反日種族主義」は日本という敵を非難し、そのすべての我々の矛盾を忘れさせる。 そのため、李栄薫教授は「反日種族主義」という麻薬が存在する限り、大韓民国は一歩もアップグレードできないと嘆く。
 
社会で抹殺

このような分析とともに、李栄薫教授は韓国人が持っている日本軍慰安婦制に関する3つの通念の誤謬を指摘する。 第一は、朝鮮人慰安婦の数字についての通念だ。 現在、女性家族部のホームページは、その数字を20万人と推算しているが、様々な歴史的資料を基にまとめると約3千人から4千人程度と見るのが適当だと纏められている。

第二に、民間女性を公権力が「強制連行ないし拉致」したという通念だ。 この通念が拡散するには、次の2つの要因が作用した。 一つは吉田淸治が1983年に日本で出版した本『私の戦争犯罪』が虚構の強制連行説を流布し、韓国に渡り、もう一つの要因は民間の就職詐欺に遭った慰安婦と日本国家が女性を軍需工場に動員した挺身隊を混同したからだ。 したがって李栄薫教授は、慰安婦を国家の強制連行被害者ではなく、民間売春業者の就職詐欺被害者としてみなければならないと説明する。



第三は、慰安婦が性奴隷という通念だ。 奴隷とは、労働力を売買する労働市場を必要としない存在だ。 簡単に言うと、お金を支払わなくても性労働をさせることができる時に性奴隷という表現を使わなければならない。 前借金を返済し、自由を得て朝鮮に帰ってきた慰安婦が多数だったことを根拠に、李栄薫教授はこの通念も虚構だと指摘する。

筆者は延世大学の講義でまさにこれと同じ、李栄薫教授の研究成果を説明し、日本軍慰安婦制度を売春の一種だと言い、学生たちから不敬罪に問われ、とんでもないもセクハラ問題を理由に停職1ヵ月の重い懲戒処分を受けた。

筆者は、学生たちとの質疑応答の末、講義の終盤でもし日本軍慰安婦の苦しみに対する共感や支持を皆さんが持っていれば、決して非難の対象を過去の日本だけに閉じ込めず、今ここに大韓民国で行われている就職詐欺と売春についても怒り、同じ強度の非難をするべきではないかと強調した。 なぜ私たちの中の現在の矛盾には目を瞑り、私たちの外の過去の矛盾にはそのように興奮するのかと問い返した。

授業の議論は自然に日本に対する憎悪を煽り、慰安婦で商売をする正義記憶連帯の活動に対する評価に繋がった。 生徒の大半は正義記憶連帯の側だった。 ついに、許可なく授業を録音したファイルが外部のメディアに流出し、李栄薫教授の研究成果に基づいた講義を土着倭寇レベルの歴史歪曲として特筆大書し始めた。

マスコミの報道は、教授の歴史観非難に加え、学生会を中心に問題が提起されたセクハラ問題につながった。 学問の自由を最優先に保障しなければならない大学で、「反日種族主義」に惚れこむ講義をした教授を困らせる最も簡単な方法は、セクハラで問題を引っ張っていく戦略だ。

学生らは、「気になるなら(調査を)やってみろ」という授業での発言を「(売春を)やってみろ」という発言と見なし、処分を要求し、学校当局は結局これを受け入れた。

「反日種族主義」のような非合理的情緒を打破し、「真理と自由」を探求すべき大学が、それも韓国最高の名門私学であると自ら誇る延世大学が、まさに反日種族主義が支配する現場だった。 33年間奉職した教授が経験している反日種族主義の具体的な姿だ。 (終わり)