日本がブドウ「ルビーロマン」の商標権を主張・・・国内の影響は

最高級のブドウ「ルビーロマン」を開発した日本の石川県が、韓国市場での商標権を確保しようと遅れて法的対応に乗り出し、波紋が広がっている。これまでの過程と国内の栽培農家に及ぼす影響について考えてみる。

◆ルビーロマンの商標権問題・・・石川県の最初の対応は

ルビーロマンは2016年に日本で1房当たり110万円の競り値を記録して有名になったブドウだ。石川県が14年にわたって開発したことで知られており、2007年3月に日本農林水産省に品種が登録された。

「植物の新品種の保護に関する国際条約（UPOV）」によると、新しい品種は発売から6年以内に他国より優先して登録することができる。しかし、石川県は期間内に韓国で登録しなかったのだ。

そんな中、国内で2010年代後半に中国を通じてルビーロマンの苗木が導入された。また、全羅南道長城に居住するA氏が2019年5月、特許庁にルビーロマンの商標権を登録した。

この過程で商標登録を無効にして欲しいという訴訟が国内で提起された。個人が特定の品種の商標権を独占することに反対する国内の種苗業者が商標登録の無効を申請したのだ。特許庁はこれを受け入れ、2022年8月に無効とした。

ルビーロマンの商標権が無効化された事実が日本に知られると、石川県は2022年10月、韓国特許庁に商標登録の申請を出すなど権利の確保に遅れて乗り出した。

◆石川県、2度目の反撃・・・ルビーロマンの名称登録の取消請求で波紋

今年になって再び問題が浮き彫りになった。本紙取材の結果、特許庁は今年1月、石川県の商標登録申請に対して拒絶の内容を盛り込んだ意見提出通知書を送ったことが確認された。

この通知書には、「植物新品種保護法（植物新品種法）第109条により既に登録された品種に対し、同じまたはそれに近い商標で同品種に対する商標を登録できない」という商標法第34条の規定を挙げながら、商標登録が難しいという内容が盛り込まれていると伝えられた。

通知書にはルビーロマンという品種の名称が韓国国内で登録されたタイミングを根拠にした。2022年8月、A氏が所有していた商標権が無効になったが、それより前の2021年2月に忠清南道泰安にあるB種苗業者が植物新品種法に基づき、ルビーロマンという名前で品種の名称登録を終えたことが確認されたからだ。現在、この名前で生産・販売申告を終えた農家・業者は31ヶ所に達する。

品種名称の出願人がB種苗業者であるため、石川県は商標権を獲得するのが難しくなったというのが特許庁の判断だ。特許庁の関係者は本紙との電話で「現在最終結果は出ていない」とし、「意見提出通知書は、最終審査結果が出る前に補完する内容があれば補完してほしいという意味で（手続きに従って）送ったもの」と述べた。

意見提出通知書を受け取った石川県は6月、B種苗会社が出願した品種名称の取り消しを韓国国立種子院に請求した。石川県はこの請求が受け入れられれば、自分たちが品種の名称を再登録し、これを土台に韓国特許庁に対して商標の登録を再推進する考えであると思われる。

◆国内農家の影響は限定的・・・政府案の安易な対応にはひんしゅく

（中略）

韓国国立種子院の関係者は「現行法によって名称が取り消されたとしても、出願人は（ルビーロマンを）別の名称に変えられるので、種苗はこれまで通り販売することができる。このため農家の立場からすると栽培することに問題はないものと見られる」と述べた。

政府の取り組みも物足りなさを残している。石川県の最初の問題提起から2年経ったにも関わらず、国内でこの品種を栽培する農家の数さえも把握できていないのが確認されたためだ。農食品部の関係者は「まだ内容をきちんと把握していないのでもう少し時間が経てば判断できるだろう」と述べた。

（後略）