光復節には旗を下ろせ・・プロ野球にまで広がった日章旗論争

光復節（＝日本の支配から解放された記念日。祝日。毎年8/15）を控え、韓国プロ野球（KBO）が日本の国旗である日章旗を巡る議論に巻き込まれた。蚕室野球場に掛かる日章旗に対し、「光復節には旗を降ろさなければならない」という主張が出たのだ。球団側は「政治とスポーツは厳格に分けなければならない」として日章旗をそのままにしておくと語っていたが、批判を受けると日章旗を下ろすことにした。

光復節を控え、プロ野球内で議論が起きた理由は、斗山ベアーズ所属の日本人投手、白川恵翔（23）（＝人物詳細：Wikipedia）から始まった。白川は斗山の先発ローテーションに従い、光復節の15日にロッテ・ジャイアンツの試合で先発投手の予定だった。すると、一部のファンは斗山球団のSNSに「光復節に日本人投手は適当ではない」とし、「今すぐ予定を変えなければならない」という書き込みをアップした。斗山側は「13日の試合が雨天中止となったので、ローテーションは1つずつずらした」とし、「光復節の試合先発は韓国人投手のチェ・ウォンジュンで、白河は16日のKTウィズとの試合に登板する」と説明した。

しかし、次は蚕室野球場に掛かる日章旗を巡って議論が起きた。斗山では20年前からチームに所属する外国人選手の国旗を太極旗と一緒に掲げる文化がある。現在、斗山にはアメリカ・カナダ・日本の選手がいて、太極旗と一緒に星条旗、紅葉旗、日章旗が掛かっている。斗山のファンは「光復節に韓国プロ野球を象徴する蚕室野球場になぜ日章旗が掛かるのか」とし、「日章旗も一時的に降ろさなければならない」と反発した。

ファンの立場は二つに分かれた。23歳に過ぎない若い日本人選手がなぜこのような政治的議論に巻き込まれるべきなのかという側と、いくらなんでも光復節に日本人選手と日章旗は問題があるのではないかという立場だ。野球ファンのキム・ソンチョルさん（26）は「韓国に金を稼ぎに来ただけの若い外国人選手がどんな過ちをしたというのか」とし、「韓日感情も最近よくなっている傾向にあり、今は抗日ではなく克日をするのが正しい」と述べた。しかし、ある40代の野球ファンは「韓国野球の象徴である蚕室野球場にしかも光復節の日に日章旗がはためくのは見たくない。球団側が日章旗を降ろすのが正しいと思う」と述べた。

斗山の関係者は「（外国人選手の国旗を掲げる文化は）20年間やってきた伝統である上にIOC（国際オリンピック委員会）の原則に『政治とスポーツを別で考えなければならない』とあるので日章旗をそのままにしようとしていた」とし、「しかし、議論があるだけに、光復節の日の試合は太極旗以外のすべての国旗を降ろすことにした」と述べた。斗山は15日午後2時頃、太極旗以外のすべての国旗を降ろした。

一部では最近の韓国の深刻化した政治の両極化を今回の議論の原因と見ている。実際、2009年にSKワイバーンズ（現SSGランダーズ）に所属していた日本人投手の門倉健は、同年の光復節の日に先発して6回1失点で勝利投手になった。また2010年の光復節にはLGツインズの抑えの岡本信也が登板したものの、これといった議論はなかった。