「日本政府は慰安婦被害に対し賠償せよ」・・・遺族、損害賠償訴訟で勝訴

26日、法曹界によると、清州地裁民事7単独は25日、故キル・ガプスンおばあさんの息子、キム・ヨンマン氏（69）が日本政府を相手取って起こした損害賠償訴訟で原告の一部勝訴の判決を下した。正確な判決の趣旨と賠償金額は不明だ。

国内の裁判所が慰安婦被害者または遺族に対して日本政府の賠償責任を認めたのは今回で3度目だ。2021年、ソウル中央地裁は故ペ・チュンヒおばあさんなど慰安婦被害者12人が日本政府を相手に起こした損害賠償訴訟で一人1億ウォン（＝約1,000万円）を支給せよと判決を下したことがある。2023年、ソウル高裁はイ・ヨンスおばあさん、故クァク・イェナムおばあさんの遺族、故キム・ボクドンおばあさんの遺族など16人が同様の趣旨で起こした2審で主権免除の原則を理由に却下した1審を破棄し、日本政府に一人2億ウォン（＝約2,000万円）を賠償せよと命じたりもした。

故キルおばあさんは1924年に全羅北道茂朱で生まれ、17歳だった1941年に日本の長崎に連れて行かれ、慰安婦生活を送った。彼女は韓国挺身隊問題対策協議会（正義記憶連帯の前身）の活動に参加しながら被害の事実を証言し、日本政府に責任を問う活動も行った。生前、「日本軍と寝床を共にするのを拒否したところ半田ごてで背中を焼かれる拷問を受けた」と証言したキルおばあさんは急性肺癌のために1998年に74歳で亡くなった。

その後はキルおばあさんの息子であるキム・ヨンマン氏が日本政府の謝罪などを受けるために声を上げてきた。清州地方裁判所の今回の勝訴判決は、キム氏が昨年1月に日本政府を相手に請求した2億ウォンの損害賠償訴訟に対する結果でもある。ホン・ソンホ弁護士は「日本政府は判決が下された現在まで裁判に出席せず、最初は訴状の送達も拒否したために裁判が遅延した」と伝えた。

ただ、日本政府は今回の判決に対して「国際法上の主権免除の原則の適用が否定された」とし、前日にパク・チョルヒ駐日韓国大使を招致して抗議した。主権免除とは、主権国家に対しては他国の裁判権が影響を及ぼさないというもので、日本政府は国際慣習法上のこの原則を理由に慰安婦被害者が日本政府を相手に提起した訴訟に応じなかった。

岩屋毅外相は前日に発表した談話文で2021年1月のソウル中央地裁判決と2023年11月のソウル高裁判決について言及しながら、「日本は、韓国に対し国家としての自らの責任を持ち、直ちに国際法に違反した状態を是正するために適切な措置を講じることを改めて強く求める」と述べた。

日本政府は先日、慰安婦被害者に対する賠償責任を認めた韓国裁判所の判決が出た際も駐日韓国大使を招致して抗議したことがある。日本は1965年の韓日請求権交渉と2015年の韓日外交長官間の慰安婦合意などによって慰安婦や強制動員などを含む歴史問題は解決されたとし、韓国司法部の判断は国際法違反だと主張してきた。