日本・台湾・東南アジアで韓国に対するイメージが下落する

最近、ヤノルジャリサーチが報告書『韓国観光のブランド資産モデルと評価』を発刊した。この報告書では韓国観光のブランド資産を評価するための独自モデルを開発し提示している。韓国観光のブランド的価値を強化するための具体的な戦略も提示している。

韓国観光のブランド価値をどう評価したのか

ヤノルジャリサーチは、研究に先立ち、マーケティングブランド戦略の世界的権威であるデビッド・アーカー（David Aaker）博士のブランド資産モデルに、観光地に特化したブランド資産を評価する要素を結合して研究モデルを設計した。

「観光ブランドの認知度」「観光ブランドのイメージ」「観光ブランドでの連想」「観光ブランドの品質」「観光ブランドに対する忠誠度」など5つの構成要素で韓国観光のブランド資産の評価モデルを開発した。

（中略）

日本・台湾・東南アジアで韓国ブランドのイメージが同時に下落・・・理由は？

研究の結果、2024年の韓国観光のブランド資産は全般的に劣勢を示した。ただ、肯定的な流れもあった。

ブランドの認知度は、東南アジアを除く日本・中国・アメリカ・台湾で軒並み下落した。昨年、すべてのSNSのバーズ量は韓国に来た観光客が増加したにも関わらず、2023年比で2.5%減少した。特に中国（-21.1%）と日本（-8.4%）で大幅に下落した。

韓国観光のブランド認知度ではソウルが圧倒的な認知度を維持して王座を守った。反面、首都圏や地方都市では認知度が下がった。一方、台湾ではソウル（+2.0%）、釜山（+2.9%）、済州（+0.7%）の認知度が急上昇した。東南アジアでもやはり釜山（+6.8%）と済州（+5.1%）に対する関心が増え、地方観光の多角化の可能性を示していた。

ブランドイメージは日本（-0.2%）、台湾（-2.2%）、東南アジア（-7.7%）で下落した。特に韓国を多く訪れる東南アジアで否定的なイメージが最も大きい点が目につく。下落の要因としては、ソウル中心の過剰な観光、低価格のパッケージ観光の拡散、観光の受け入れ態勢の不備が挙げられる。

（中略）

ブランド品質の結果はやや衝撃的だ。韓国観光のブランド品質の基盤要素（Fundamental Components）を確認してみよう。韓国料理を除くすべての要素でブランド品質が低下した。K-コンテンツ、K-ビューティー、レジャー・エンターテインメント、歴史・伝統文化、ショッピング、自然部門で点数が下落したのだ。

特に歴史・伝統文化は、アメリカ（-19.6%）、東南アジア（-16.0%）、日本（-10.1%）で点数が急落した。K-コンテンツは台湾で大きな下落幅（-6.4%）を記録していた。

（後略）